NetBSD/i386

非常にたくさんのアーキテクチャで動作するNetBSD。しかしその先祖はやはりi386機。i386ファミリープロセッサーを搭載したIBM PC とPC互換機用のNetBSD, それがNetBSD/i386だ。

i386マシン

いわゆるPC/ATアーキテクチャの原点は 1984年に登場したIBM社のPC/AT (CPU:80286) でその仕様は回路図から BIOS のソースコードまで広くオープンに公開された。そのため様々なベンダーが参入し PC クローンが生まれ低価格化が進み非常に普及をしたアーキテクチャとなる。また普及の理由に過去との互換性を保ちながら拡張されていった点も挙げらるだろう。
i386 アーキテクチャと一言でいってもその中身はマルチベンダーで構成され, 健全な市場原理が働き, 特定企業の専有物でないことからハードウェアの共有財産とも呼べるアーキテクチャとなった。我々ユーザもこのアーキテクチャが健全に発展するよう, 時には見捨て, 時には拾うようにしなければならない。

NetBSD/i386とは

NetBSD/i386はFreeBSDやOpenBSDと同じく386BSDの流れを汲む, フリーなBSDの実装である。そしてNetBSDのオリジナルポートであり, 最初のリリースは1993年のNetBSD 0.8。すべてのNetBSDはここから始まりまった。NetBSD/i386の完全なバイナリセットはNetBSD 0.9, NetBSD 1.0, NetBSD 1.1, NetBSD 1.2, NetBSD 1.3, NetBSD 1.4 およびNetBSD 1.5 のリリースについて作成されている。
今現在も多くの機能が追加され, 進化を続けている。最新の-currentではついにマイクロチャネルアーキテクチャマシンもサポートされた。

NetBSD/i386ユーザの声

数あるNetBSD動作機種の中でいちばんユーザが多いだろうと思われるだが, それは逆に特定の傾向を持っているユーザばかりではないということでもあるようだ。
 
「なんというか, やっぱりi386はね, 選んで使っているわけじゃないし。やっぱりハードウェアに関しては数も多いし, 入手性を考えたら抜群じゃないですか。壊れたらどうしよう, ってあんまり考えなくて済みます。」
「他のOSも含めて考えると, やっぱりソフトウェアの資産は膨大です。それにNetBSD/i386は色々なOSのバイナリも動きますから。Linux, SCO, SVR4, FreeBSD, そしてPEACEプロジェクトによるWin32のバイナリがそのまま動いたりしちゃうんです。もちろんちゃんと動くものは限られるかもしれないけど, それでもなんだかワクワクしてきますよね。そんなところがNetBSDなんだな, と。」
NetBSD/i386は数あるNetBSD ポートの中で, 数少ない滅んでいないアーキテクチャなのです。

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